目覚ましい成長を遂げているIT企業は渋谷を好む

渋谷の街並み

渋谷の街並み

1990年代後半に日本でインターネットが普及して以降、IT関連企業の成長が止まりません。この1990年代後半から2000年代初頭にかけてはITバブル時代として知られ、渋谷にITのベンチャー企業が集結しました。この時代の渋谷は「ビットバレー」と呼ばれたことでも有名です。「ビットバレー」の名称は、アメリカ、カリフォルニア州のサンフランシスコに位置するIT企業やベンチャー企業が集結するエリア「シリコンバレー」に由来しています。IT関連企業が集中する渋谷の「渋(bitter)」と「谷(valley)」を組み合わせて、「Bit Valley」と呼ばれるようになりました。
しかし、その頃の渋谷の賃貸事務所の多くは小規模なオフィスビルでした。事業が拡大するにつれて、オフィスが手狭になってきた企業も多く、2003年の六本木ヒルズの開業により、渋谷で成功を収めたIT企業が続けてヒルズへと移転をしていくことになります。そのため、渋谷がIT企業の集まる街であるというイメージは次第に薄くなっていきました。しかし、現在でもミクシィやサイバーエージェント、GMOインターネット、LINE、DeNAなどの多くの一流IT企業が渋谷に拠点を構えています。そして、その渋谷に、現在再びIT企業が集結し始めているのです。2017年、Googleの日本法人が2019年に六本木ヒルズから移転することを発表しました。移転先は2018年に竣工予定の渋谷ストリームです。渋谷ストリームは、渋谷川沿いの東横線跡地に誕生予定の大規模複合施設です。渋谷エリアの中で唯一、川が地上を流れる空間に立地予定で、まさに都会のオアシス的存在となりそうです。
そもそも、1990年代後半に渋谷にIT企業やベンチャー企業が集結した理由には、様々な理由があります。当時の渋谷は常に多くの若者が行き交うファッションや音楽、カルチャーなどの流行の発信地でした。さらに、渋谷には以前から映像・広告・出版等のクリエイティブな事業を展開する企業が集結していました。スーツに身を包んだオフィスワーカーが行き交うオフィス街、丸の内・大手町とは異なり、この渋谷の自由な雰囲気は新しい事業を興そうとしているIT企業家やベンチャー起業家の目に魅力的に映ったのでしょう。さらに、渋谷は副都心としても知られ、渋谷駅は山手線をはじめとしたJR各線、京王井の頭線、東急東横線、東京メトロ銀座線、半蔵門線、副都心線などの多くの路線が乗り入れるビッグターミナルです。東京都心においても、特に優れて交通の便が良いことも賃貸事務所を構える場所としては大きなメリットになるのです。
以上のような要素が相まって、渋谷にIT企業やベンチャー企業が集結していったことが考えられます。あるIT企業が渋谷に拠点を置くことが、また新たな企業を呼び込むことにも繋がり、「ビットバレー」と呼ばれるムーブメントを巻き起こしていったのでしょう。
前述したGoogleの日本法人は、もともと東急セルリアンタワーに拠点を置いていました。事業の拡大により手狭になったことで、六本木ヒルズに移転しましたが、2019年に再び渋谷に戻ってくることを明らかにしています。東急セルリアンタワーには現在GMOインターネットが入居しています。2012年には渋谷ヒカリエにDeNAが入居。さらに、2019年にはミクシィが現在建設中の渋谷スクランブルスクエアにオフィスの集約を予定しています。
また、今後、渋谷では大規模な再開発事業が予定されています。Googleが渋谷に再度移転することに決めた背景にも、渋谷の街が今後整備されると共に、大規模賃貸事務所が増加していくことが関係していると言われています。2027年までに渋谷エリアで予定されている再開発事業は10件以上に及び、今後もGoogleのように他の場所から渋谷に移転するIT企業が増えていくことが予想されます。
さらに、渋谷では近年、コワーキングスペースの増加が顕著です。IT系のノマドワーカーもこのコワーキングスペースを多数利用しており、その場で出会ったノマドワーカー同士が連携して新しいビジネスを生み出す機会も少なくありません。これらのコワーキングスペースの増加に伴って、クラウドソーシングサービスの大手ランサーズやクラウドワークスも渋谷に拠点を移転しました。
新しいことへの挑戦に適した自由な風土を持つ渋谷。これからもクリエイティブ事業を展開する企業やIT関連企業がさらに集結してくるのではないでしょうか。

育児を伴うビジネスマンの働き方

近年、共働き夫婦世帯の増加が顕著にみられます。そのような状況の中、子供を預けて働く保育所の利用者も年々増加しており、入所できなかった待機児童の問題は社会問題にもなっています。今回は、育児を伴う働き方について考えていきたいと思います。
厚生労働省の調べによると、共働き家庭は、現在1000万世帯を超え、さらに増加し続けています。それに伴い、子供を預けて働くことを希望する家庭も増えていますが、保育所自体が不足していたり、利用定員を超えてしまうために入所できず、待機している状態の待機児童も増加しています。また、保育所だけでなく、小学校入学後の子供の預け先である学童施設も同じ状況にあり、待機児童が発生しています。この待機児童問題は社会問題にもなっており、インターネット上に書き込まれた「保育園落ちた日本しね」のワードが2016年のユーキャン流行語大賞に選ばれたことも有名です。
待機児童は、特に人口が集中している都市部に多くみられます。国や地方自治体も待機児童対策に力を入れていますが、保育所の増設が間に合わず、待機児童が増え続けているのが現状です。保育所の増設が間に合わない原因のひとつには、住民の保育所建設の反対の声も関係しています。日中の大半を家の中で過ごす高齢者などの中には、子供の声を騒音と感じる人もいます。そのため、近所に保育所が新設されることで、自分達の静かな生活が乱されると考え、保育所の新設に反対の声を上げ、自治体が諦めるというケースも少なくありません。
また、待機児童として公にカウントされない「隠れ待機児童」の存在もあります。希望している認可保育所には入所できず、認可外の保育所に入所している児童や保育所に入れないために、保護者が求職を諦めてしまったり、育児休暇を延長する場合などがこれにあたります。
そのような状況の中、内閣府による企業主導型保育所のサービスが2016年度から開始しました。企業主導型保育所とは、その名称どおり企業主導型の保育事業で、多様な就労形態に対応する保育サービスの拡大を実施し、仕事と子育ての両立に役立てることを目的としています。内閣府は、企業主導型保育所の主な特徴を「働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスが提供できる」「複数の企業が共同で設置できる」「他企業との共同利用や地域住民の子供の受け入れができる」「運営費・設備費について認可施設並みの助成が受けられる」と謳っています。
企業主導型保育所は、企業が設置する保育所ということで、事業所内保育所と同じように思われる方もいるようですが、両者は異なるサービスです。どちらも企業が従業員の仕事と子育ての両立のために設置している点では同じですが、事業所内保育所が市区町村の認可事業なのに対し、企業主導型保育所は認可外の保育所です。認可事業である事業所内保育所は、利用するために自治体による保育の必要性の認定が必要となります。そのため、短時間勤務や週数回のパート勤務の場合には利用できない可能性が高くなります。一方の企業主導型保育所は、企業と利用者が直接契約を結ぶため、自治体による保育認定が受けられなくても利用が可能なのです。企業主導型保育所は認可外ということで、利用料金が高くなるのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、認可外ではあるものの、認可施設並みの助成が受けられるため、利用料金も認可保育所と同水準に設定されています。また、通勤や子供の送り迎えに便利な場所に設置されていることが多いのもポイントです。多様な働き方に柔軟に対応可能で、かつ利用料金も認可保育所と変わらない企業主導型保育所は、利用者にとって多くのメリットがあります。さらに企業主導型保育所は、設備や保育環境に関しても一定基準以上であることが求められているため、子供を安心して預けられるのも魅力のひとつです。
また、企業主導型保育所は、利用者だけでなく企業側にもメリットがあります。多様な働き方のニーズに合わせて保育所の利用ができるため、従業員が安心して働くことができ、離職率の低下にも繋がるのです。昨今は少子高齢化に伴い、人材不足に悩む企業も多くみられます。そのような状況の中、企業主導型保育所の設置は福利厚生の面でも従業員の満足度が上がると言えるでしょう。他の企業との共同運営が可能なため、経営面でのリスクも分散できます。また、地域住民の子供を受け入れることで、その地域への貢献にも繋がるのです。
このように、利用者、企業双方にメリットの多い企業主導型保育所は、今後さらにサービスを拡大していくのではないでしょうか。

賃貸事務所にカフェスペースを設ける企業の増加

会社のリフレッシュスペースと聞くと、数台の自動販売機にベンチ、テーブルという殺風景な空間を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。しかし、最近では賃貸事務所のオフィス内にまるでカフェのようなスペースを設ける企業が増えているのです。今回は、賃貸事務所にカフェスペースを設けるメリットを中心にみていきましょう。

カフェスペース イメージ画像

カフェスペース イメージ画像

近年、社内にカフェスペースを導入する企業が増加しています。コーヒーマシンを用意して、いつでも美味しいコーヒーを飲めるオフィスが増えているほか、バーカウンターやソファを設置して、一見会社の中とは思えないようなお洒落なカフェスペースを導入しているオフィスもあるようです。オフィスにカフェスペースを設けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。順番にみていきましょう。

・気分転換が図れる
ずっとパソコンや書類に向かって作業していると、どうしても途中で集中力が切れてきます。そんな時に自分のデスクで休憩しても、何だか休んだ気がしないという方もいるのではないでしょうか。作業場であるデスクを離れて、雰囲気の良いカフェスペースでドリンクを飲めば、すっきりリフレッシュできて、休憩後の作業効率も上がりそうです。

・社内コミュニケーションが取りやすい
同じ会社にいても違う部署の人とは意外と話す機会がないという方もいるかもしれません。カフェスペースを設けることで、今まであまり話をしなかった社員ともコミュニケーションが取れるようになり、会社全体の雰囲気が活性化される可能性もあるでしょう。

・雑談から新しいアイデアが生まれやすくなる
デスクで他の社員と雑談をする機会もあるかもしれませんが、仕事をする場所での会話はどうしても硬いものになりがちです。お洒落なカフェスペースなら気軽に雑談ができ、リラックスした雰囲気の中から新しいビジネスアイデアが生まれることもあります。

・社内で美味しいドリンクが飲める
オフィスにカフェスペースがなく、賃貸事務所の近所にもカフェ等がない場合、自動販売機やコンビニで缶コーヒーを買ってくるしかありません。カフェスペースを社内に作って、コーヒーマシンを設置すれば、本物のカフェのような美味しいコーヒーを飲むことができます。コーヒーが苦手な方は、様々なフレーバーのティーバッグを用意するのも良いかもしれません。

・企業のイメージアップにつながる
お洒落なカフェスペースは、その企業のブランディングにもなります。会社に訪問した取引先に良い印象を与えるだけでなく、新しい人材にも魅力的なオフィス環境をアピールできるでしょう。

それでは、社内にカフェスペースを設けるには、どのような方法があるのでしょうか。中には、「場所を確保できない」「コストがかけられない」という理由からカフェスペースの設置を躊躇してしまう場合もあるかもしれません。しかし、最近では1坪からカフェスペースを設置することができるのです。円形テーブルなどを利用して、小さな空間にお洒落なカフェスペースを設けている会社もあります。オフィスにカフェスペースを導入する方法をご紹介しましょう。・DIYで作る社員が自分達で、カフェスペースのデザインのアイデアを出し、イスやカウンター等の家具を用意する方法です。コーヒーマシンはレンタルでリーズナブルに済ませることができます。・施工業者に依頼する施工業者に依頼して、オフィス内にカフェスペースを設置してもらう方法です。どのようなデザインのスペースにするか社員同士でイメージを共有しておくと良いでしょう。・専用のサービスを利用する最近はオフィスにカフェスペースを丸ごと提供するサービスもあります。それぞれの会社のニーズに応じて様々なプランが用意されており、1坪からカフェスペースを設置することができます。月額費用を支払うことで、コーヒーマシンやコーヒー豆はもちろん、スイーツを届けてくれるプランもあります。

このように、様々なメリットがあることから、最近ではオフィスの中にカフェスペースを設ける会社が増えてきています。「社内のコミュニケーションが不足している」「オフィス内の雰囲気を活性化したい」とお考えの企業様は、カフェスペースの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

コストパフォーマンスの高い賃貸オフィス

オフィス移転を考えた際に、できるだけコストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探したいと思う方も多いのではないでしょうか。どのような賃貸事務所をコストパフォーマンスが良いと感じるかは、各企業が新しいオフィスに求める条件によっても異なります。例えば、単純に賃貸料が安い物件はもちろん、交通アクセスの良さや周辺環境の便利さ、さらに企業によってはビルの立地するエリアのブランド価値を求める場合もあるでしょう。今回は、賃貸事務所のコストパフォーマンスについて考えていきたいと思います。
各企業が賃貸事務所に求める条件は様々です。ニーズに適っていて、さらに賃貸料にも満足できれば、その賃貸事務所はコストパフォーマンスの良いビルとなります。例えば、賃貸事務所を探す上で、周辺環境の便利さ、交通アクセスの良さ等の立地条件を重視する企業は多いです。しかしながら、交通の便が良く、周辺に飲食店やコンビニ、郵便局、金融機関等の揃ったエリアは、ターミナル駅周辺が多く、総じて賃貸料が高い傾向にあります。立地環境は申し分ないものの、賃貸料の面で物件探しが困難な場合には、ターミナル駅の隣駅に目を向けてみると良いでしょう。例えば、東京メトロ日比谷線で恵比寿駅の隣の中目黒駅や京王新線で新宿駅の隣の初台駅等は、隣のターミナル駅に比べてグッと賃貸料が下がる傾向にあります。ビルの立地場所によっては、ターミナル駅から徒歩で通勤することも可能ですし、エリアのブランドイメージは下がらないまま賃貸料が安くなるので狙い目の場所と言えます。
また、千代田区、中央区、港区の都心3区は賃貸事務所の数、ニーズ共に多いエリアです。賃貸料も高い傾向にありますが、場所によっては少し安めの賃貸料で、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探すこともできます。例えば、中央区では日本を代表するターミナル駅である東京駅周辺の賃貸事務所は軒並み賃貸料が高くなります。京橋や日本橋エリアも八重洲周辺同様、再開発事業が進んでおり、やはり賃貸料は高めの傾向にあります。一方、同じ中央区でも、馬喰町周辺や築地・八丁堀・茅場町周辺、小伝馬町・人形町周辺は、賃貸料の相場が低いため、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探しやすいエリアです。また、都心3区ではありませんが、新宿区であれば四谷・信濃町エリアは、新宿駅周辺に比べ、だいぶ賃貸料の安い賃貸事務所を見つけられる可能性が高くなります。さらに、新宿駅、渋谷駅周辺では賃貸料が高くて物件を探せないという場合には、品川駅周辺や大崎駅周辺で賃貸事務所を探してみるのもおすすめです。品川区は、都心へのアクセスも良好なエリアなので、移転先の候補地として検討してみると良いでしょう。ただし、五反田駅周辺は歓楽街が形成されており、風俗店等も多いので注意した方が良いかもしれません。
また、千代田区の大手町・丸の内エリアや中央区の銀座エリアは、賃貸料は高額ですが、場所のイメージが良いため、ブランディング的な面からみるとコストパフォーマンスが良いとも言えます。大手町・丸の内は一流企業の本社をはじめ、経団連や東京商工会議所が入居するオフィスビルも所在する日本でも有数のオフィス街です。このエリアに拠点を構えることは企業のイメージアップにも繋がります。他に、銀座エリアも企業のブランドイメージの良い場所です。一流ブランドのショップが建ち並び華やかさの感じられるエリアでもあるため、特に、ブライダルや美容関連の企業や店舗が拠点を構える場所として最適だと言えるでしょう。
このように、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所は、それぞれの企業がオフィスに何を求めているかによっても変わってきます。そのため、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を見つけるには、まず移転先のオフィスの条件として何を優先させるかをはっきりさせておくことが大切です。各エリアの特徴や賃貸料が分からない場合には、不動産会社に問い合わせてみることをおすすめします。求める条件を明確にした上で、その条件に合う賃貸事務所を信頼できる不動産会社に探してもらうことが、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を見つけられる一番の近道だと言えるでしょう。

ノマドワーカーという新しいかたち

近年、「ノマドワーカー」という働き方が話題になっています。ノマドワーカーの「ノマド」は、英語で「遊牧民」の意味。ノマドワーカーとは、働く場所を固定せずに、自由な時間に自由な場所で働く人達のことを指し、そのような働き方を「ノマドワーク」と言います。今回は、この「ノマドワーカー」という新しいかたちの働き方について詳しくみていきましょう。
ノマドワーカーは、オフィスに出勤することなく、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどを活用し、カフェや公共の図書館、電車の中、屋外等の好きな場所で仕事をすることができます。ただし、最近ではWi-Fiに繋がる場所も増えていますが、Wi-Fi環境のない場所で仕事をする際にはモバイルルーターを持参する必要があります。満員の通勤電車に乗る必要もなく、好きな時間に好きな場所で仕事をできるノマドワーカーは、育児中の女性などからも人気の高い働き方として、近年話題を集めています。

ノマドワーカー イメージ画像

ノマドワーカー イメージ画像

このように、自由な働き方が魅力のノマドワーカーですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずはメリットから順番にみていきましょう。

・自由な場所で自由に仕事ができる
その日の気分で、自宅、カフェ、公共の図書館、公園等の屋外等、自由な場所で仕事をすることができます。またWi-Fi環境さえあれば、電車などの移動中でも仕事が可能です。

・通勤時間をカットできる
オフィスに毎日通う場合は電車やバスに乗る通勤時間がかかりますが、ノマドワーカーは自宅や近所のカフェで仕事ができるため、通勤にかかる時間を仕事や自分の好きなことに使えるメリットがあります。

・職場の人間関係等のストレスから解放される
何人もの人が働いている職場には、面倒な人間関係が存在する場合もあります。ノマドワーカーは基本的に一人で仕事をするため、そのような煩わしい人間関係から解放されます。

・事務所の賃貸料がかからない
自宅やカフェなど自由な場所で仕事ができるため、賃貸事務所を借りる必要がなく賃貸料を節約できます。

いいことずくめのようなノマドワーカーですが、デメリットも存在します。詳しくみていきましょう。

・仕事とプライベートの切り替えが難しい
自由な場所で働くことができるノマドワーカーですが、その分仕事とプライベートの切り替えが難しい部分もあります。「ここまでは仕事」「ここからは自分の時間」としっかり決めるなど自己管理能力が必要となります。

・コミュニケーション不足
会社に出勤すれば、上司や同僚と話す機会がありますが、ノマドワーカーは一人で仕事をするため、人とのコミュニケーションが不足しがちになります。人によっては孤独感を感じるかもしれません。

・セキュリティや使用機器の問題
会社ではパソコン等にセキュリティシステムを導入している場合が多いですが、ノマドワーカーはこれらの対策を自分で行う必要があります。カフェ等の公共の場所などでは、注意していないとパソコンの画面を覗かれたり、情報が漏洩する可能性もないとは言い切れません。また、パソコン等の機器が故障した場合も自分で対応する必要があります。

・収入に波がある
ノマドワーカーは個人事業主等、フリーランスとして仕事をしている場合も多いです。フリーランスは固定収入ではないことが多いため、収入面で波がある場合もあります。国民年金や国民健康保険に自分で加入する必要もあります。

以上がノマドワーカーのメリット・デメリットです。ただし、誤解されやすいのがフリーランス=ノマドワーカーではないということです。実際、カフェ等で仕事をしている人にはフリーランスも多いですが、テレワークのように企業に所属している人もいます。また、営業マンが外回りの後などに、カフェ等に立ち寄って、仕事をすることもあります。営業業務や契約の後、わざわざ職場に戻ることなく、その日の報告や書類作成ができるため、時間や交通費を節約できるメリットがあるのです。
最近では、ノマドワーカーが仕事をしやすい環境を整えたノマドカフェが都心を中心に増加しています。Wi-Fi環境や電源はもちろん、タブレット端末やミーティングスペースが設置されているノマドカフェもあります。さらに、ノマドオフィスといって、カフェスペースとインターネット環境の整ったサービスオフィスの新形態も登場しています。ノマドオフィスは、不特定多数の客が利用するカフェと違って落ち着いて仕事ができるため、フリーランスはもちろん、外回りの多い営業マンにも重宝されています。
ご案内してきたように、ノマドワーカーには、メリットもデメリットもあります。しかし、働き方が見直されている今、ノマドワーカーというという新しいかたちの自由な働き方がこれからさらに増えてくるのかもしれません。