デザイン性の高まるオフィスビル

近年、東京都心でオフィスビルの竣工が相次いでいます。それに応じて、オフィス建築も進化を遂げており、デザイン性が高くおしゃれな外観や内装の賃貸事務所が増えています。今回は、オフィスビルの高まるデザイン性についてみていきましょう。
毎日、出勤して長時間を過ごすオフィス。できることなら綺麗でおしゃれな方が気持ちよく働けるのではないでしょうか。外観や内装のデザイン性が高いオフィスは機能性も充実している場合が多く、作業効率もアップします。また、綺麗なオフィスで働くことでステイタスの高さを感じることもできるため、仕事へのモチベーションもアップするでしょう。
また、オフィスは企業の顔でもあります。おしゃれでデザイン性の高いオフィスは、その場所で働く従業員だけでなく、取引先等の来訪者にも良いイメージを与えるため、会社全体の印象にも影響するのです。また、ビルの外観はもちろん、エントランスやエレベーターホール、オフィススペースの環境も会社のイメージに関与すると言えるでしょう。さらに、デザイン性が高く目を引くオフィスビルは、そのエリアのランドマーク的役割を果たすため、来訪者に道案内をしやすいメリットもあります。
また、前述したように、デザイン性の高いオフィスビルは同時に機能性も優れています。高度な機能を有した空調・照明システムの採用をはじめ、フリーアクセスフロアやグリッドシステム天井を導入し、働きやすいオフィス環境が整備されているほか、セキュリティ対策やアメニティも充実しています。さらに、そのようなオフィスビルには環境問題への取り組みを推進するCSR活動に力を入れている企業も少なくありません。おしゃれなオフィスビルは、デザイン性が高いだけでなく、あらゆる機能性に優れ、社会的責任を果たしている場合も多いのです。
それでは、ここで、グッドデザイン賞をはじめとした賞を受賞しているオフィスをいくつかご紹介しましょう。

・東京スクエアガーデン
2014年グッドデザイン賞授賞。銀座・日本橋を結ぶ京橋エリアに建設された緑豊かな複合施設です。上層階に天井から繋がっている約1.8mの庇を設置し、日光の遮蔽効果を持たせています。低層階には植栽を施して緑とゆとりのある空間を作り出すことで、周辺地域の活性化及びクールスポットの提供を図っています。

東京スクエアガーデン 外観

東京スクエアガーデン 外観

・資生堂銀座ビル
2014年グッドデザイン賞授賞。銀座に佇む資生堂の自社ビルです。「未来唐草」と名付けられたシェードで覆われた外観は道行く人の目を引きます。この流線のシェードは日射の制御や近隣のビルからの視線制御にも役立っています。

・ラゾーナ川崎東芝ビル
2014年グッドデザイン賞授賞。川崎市幸区の東芝堀川町工場跡地の再開発事業として建設されたオフィスビルで、キューブ型のフォルムが印象的です。周囲を囲むバルコニーとルーフは、災害時の避難経路にもなるほか、熱負荷低減の役割も果たしています。

・アーバンネット神田ビル
2013年グッドデザイン賞授賞。千代田区内神田に立地する賃貸事務所で、店舗とカンファレンスも併設されています。低層部をムラと多種仕上げのヤキモノ及び昼夜で異なる表情を見せるルーバーで構成した建物の正面が印象的です。耐震性能には制振構造を採用し、BCPの強化にも力を入れています。

・オークラヤ麹町ビル
2013年グッドデザイン賞授賞。格子構造及びガラス・石材・アルミによる格子ファザードがスタイリッシュな外観の小規模オフィスビルです。高窓、腰窓、地窓を設置することで、開放性と遮蔽性をコントロールし、様々な働き方に合わせたオフィス環境が作り出されています。

・日本ヒューレット・パッカード株式会社本社ビル
2012年グッドデザイン賞授賞。近隣の公園、河川など自然を活用して、エコな空間を実現したオフィスビルです。外装に庇を全面的に採用することで、日射制御、バルコニー、空調機置場等に活用しています。建物内部に大小3つの吹き抜けを設置しており、風と光を感じることができます。

スタイリッシュでデザイン性の高いオフィスビルは、その場所のランドマーク的存在ともなり得るため、道行く人々に覚えてもらいやすくなります。従業員はそのおしゃれなオフィスに出勤することにステイタスを感じるでしょう。オフィスの内装も綺麗で、環境も整備されていれば、仕事へのモチベーションが上がるだけでなく、作業効率もアップします。
さらに、このようなオフィスビルは、機能性が高く環境にも配慮している場合も多いのです。CSR活動を強化することは、企業価値を高めることにも繋がります。デザイン性の高いオフィスビルは、単におしゃれな賃貸事務所というだけでなく、様々な付加価値を持っているのです。
今後、2020年を目途に東京都心では、大規模なオフィスビルの竣工が続きます。最新のオフィス建築を駆使したデザイン性が高く、機能性の充実したオフィスビルが誕生することで、日本の企業の価値がさらにアップし、経済効果が生まれることを期待したいものです。

東日本大震災以降のオフィスビル(BCPや耐震性の強化)

近年、企業がオフィス移転をする際に、オフィスビルのBCPを重視するようになってきました。これは、2011年に発生した東日本大震災による影響があるものと考えられます。BCPとは「Business Continuity Plan」の略で、事業継続計画のことをいい、災害、事故等の緊急事態にも被害を最小限にとどめ、できるだけ重要業務と中断させないようにし、中断したとしても、速やかに復旧・再開できるよう事前に策定しておく行動計画です。東日本大震災時には、建物が倒壊しなかった場合でも、通信手段がストップし、オフィス機能の回復に時間を要した企業も多くみられました。そこで、今回は近年、企業が重要視している賃貸事務所のBCP対策について考えていきたいと思います。
それでは、まずBCPのひとつの要素である耐震性についてみていきましょう。1981年6月1日、建築基準法が改正されました。1981年6月1日以降に建築確認されている建物の基準は新耐震基準、それ以前の基準は旧耐震基準となります。新耐震基準と旧耐震基準との違いをご説明しておくと、新耐震基準は震度6強から7程度の地震でも倒壊しない構造基準であり、旧耐震基準は震度5強程度の地震で建物が倒壊しない基準として設定されています。1995年に阪神淡路大震災、2004年に新潟県中越地震が発生し、2006年には物件の重要事項説明書にその建物が新耐震基準を満たしているかどうかの記載が義務付けられました。この頃から企業がオフィスを選定する際、徐々に耐震性を意識するようになってきたと考えられます。さらに、2011年に発生した東日本大震災が拍車をかけ、企業がビルの耐震性を重視する傾向が急激に強まり、旧耐震基準から新耐震基準の賃貸事務所への移転も増加しました。また、建物には「耐震」「制震」「免震」という3種類の構造の違いがあり、地震が発生した際に感じる揺れは耐震>制震>免震の順に大きくなります。そのため、新耐震基準の賃貸事務所に入居していたテナントでも、さらに揺れを低減させる制震構造や免震構造のオフィスビルへの移転も目立っています。
ここで、「耐震」「制震」「免震」の違いについて簡単に説明しておきましょう。「耐震」は、柱・梁・壁等を補強して地震による揺れに耐える建物の構造のことです。「制震」は壁や柱にダンパー等の制振軽減装置を設置して建物の揺れを抑える構造です。「免震」は建物と地面の間にゴム等の免震層を設置し、建物と地面を分離させることにより、建物に揺れが伝わりにくくする構造のことをいいます。近年、竣工の賃貸事務所においては、制震構造や免震構造を備えているハイスペック物件も増えてきています。

地震対策の3つの構造

地震対策の3つの構造

東日本大震災以降、BCPを策定する企業が急速に増加しました。その内容には通信の確保、従業員の帰宅困難者への対応のほか、入居ビル選定基準が盛り込まれている企業が多くなっています。入居ビル選定基準には、非常用発電機の有無に加え、地理特性を定める場合が増えています。非常用発電機を設置してあれば、本線、予備電源線のどちらからも電力が供給されなくなった場合にも、電力供給が継続されます。例えば、制震構造や免震構造など耐震性能に優れたオフィスビルに拠点を構え、大地震の際にビルの倒壊や事務機器等の破損を免れたとしても、電力の供給がストップしてしまえば事業の継続は不可能です。そのため、東日本大震災以降、この非常用発電機の設置を急ぐ企業が増えているのです。さらに地理特性については、オフィスの移転場所を選定する際にハザードマップを活用する企業が急増しています。ハザードマップとは被害予測地図のことで、地震などの自然災害による被害予測範囲を地図化したもののことをいいます。オフィスの立地を考える際にハザードマップを活用する企業が増加した背景には、東日本大震災発生時に新浦安や新木場などで液状化現象が発生したことがあります。できるだけ埋立地などは避け、リスクの少ない立地に拠点を置くことも、オフィス移転における最重要事項となってきていると言えるでしょう。
このように、東日本大震災以降、企業が重視するオフィス移転の条件としてBCPは外せない項目となってきました。ビルオーナーも、ビルの耐震設備、非常用発電機の有無や容量等をPRするようになっています。ただし、非常用発電機の設置や制振構造、免震構造の賃貸事務所への移転には高額な費用がかかることも事実です。近年、東京都心では大規模ビルが次々に竣工を迎えており、ハイスペックな機能を備えたオフィスビルも増えています。新しい賃貸事務所を選定する際には、BCP以外にも立地環境や賃貸料等、様々な条件を検討しなくてはなりません。今後、企業がオフィス移転をする際には、それらの条件の中から自社が重視するべき項目を、さらに厳しく見極めていく必要があると言えるでしょう。

2018年オフィスビルの建設ラッシュ

近年、東京都心部ではオフィスビルの建設ラッシュが進んでいます。2017年には「GINZA SIX」をはじめとした20棟以上のオフィスビルが都心で竣工しました。この傾向は東京オリンピックの開催される2020年まで続くと予想されており、2018年もさらに多数のオフィスビルが竣工予定です。
代表的なところでは、三井不動産が開発を手掛けている複合施設「東京ミッドタウン日比谷」が竣工します。高層部のオフィスフロアのほか、低層部の商業フロアにはレストラン街やショッピングモール、映画館が入居予定となっています。「東京ミッドタウン日比谷」の高層階からは、皇居や日比谷公園、東京スカイツリーを一望できます。また、地下鉄日比谷駅と直結しており、交通アクセスも抜群です。このように、「東京ミッドタウン日比谷」は、機能性の高いオフィスビルとしてはもちろん、都心において自然を感じられる文化施設としても注目を集めること間違いないでしょう。他にも、千代田区では「住友不動産ふくおか半蔵門ビル」や「丸の内二重橋ビル」が2018年に竣工予定です。
その他、中央区では「太陽生命日本橋ビル」「日本橋高島屋三井ビルディング」、港区では「田町ステーションタワーN・田町ステーションタワーS」「住友不動産御成門タワー」「ニッセイ浜松町クレアタワー」が開業予定となっています。さらに、渋谷区で「渋谷ストリーム」、台東区で「秋葉原アイマーク」が竣工を迎えるほか、品川区でも大崎エリアの再開発による大規模複合ビルが2018年中に竣工します。2018年だけで、都心部では実に32棟のオフィスビルが竣工を予定しており、前述の大規模賃貸事務所以外にも、基準階面積20~50坪の小・中規模のオフィスビルも竣工予定となっています。
さらに、2018年から2020年にかけては、千代田区、中央区、港区の都心3区だけでも45棟の大規模賃貸事務所の竣工が予定されています。これに伴い、オフィス貸付面積も大幅な増加が見込まれています。このような大規模オフィスビルが続々と建設される背景には、安倍内閣のアベノミクスによる経済効果や東日本大震災以降、企業のBCP強化を目的とした機能性の高いオフィスへの移転が増加していることがあると考えられています。では、近年のようなオフィスビル建設ラッシュともいえる状況の中、オフィス賃料や空室率等のオフィス市況はどうなっているのでしょうか。2017年のオフィス賃料は上昇傾向にありました。それに反比例するかのように空室率は減少しています。これは、賃貸事務所のニーズが高まっていることを意味しています。具体的な例を挙げると、2017年に竣工した「GINZA SIX」「赤坂インターシティAIR」も稼働率は大変好調で、ほぼ満室に近い状態となっています。このように、賃貸事務所のニーズが高まっているのには、様々な要因があります。具体的には、オフィスビルの建設ラッシュと同様に企業のBCP強化をはじめ、ビルの老朽化による新しい賃貸事務所への移転、地域の再開発に伴う移転などが挙げられます。

オフィスビル イメージ画像

オフィスビル イメージ画像

では、2018年以降、オフィス市況に変化はみられるのでしょうか。2018年からのオフィスビル建設ラッシュは、千代田区、中央区、港区の都心3区に加え、渋谷区、品川区、台東区に集中しています。そのため、それ以外のエリアや企業が移転する前に拠点としていたエリアでは、テナントの獲得が厳しくなり、空室が発生する可能性も考えられます。また、2018年からのオフィスビル建設ラッシュにより、供給過剰となり、空室の発生や賃料の下落が生じるとの見方もあります。それに伴い、現在の貸し手優勢の状況から借り手優勢となっていくのではないかとも予測されています。
2020年の東京オリンピックに向けて、外国人観光客も増え、都心部はさらなる賑わいを見せることが予想されます。また、2018年に竣工する物件を含めて、近年建設されているオフィスビルは、オフィスゾーンだけでなく、商業施設やホテル、さらには住居を併せ持つ複合施設も多くなっています。一時的な供給過剰により、空室が生まれることはあるかもしれませんが、東京都心がビジネス、そして商業の中心地として、今後さらに活性化していくことを期待したいものです。

トランクルームの新しいかたち

近年、トランクルームサービスの需要が増加しています。トランクルームとは貸倉庫のことで、荷物を保管しておく場所のことです。企業の場合には日常使用しない書類やOA機器等を収納することが多くなっています。個人の場合には、普段使わないスキー・キャンプ用品等のレジャー用品や衣類を預けたり、出張時や家の建て替え時に荷物を収納しておくこともあるでしょう。以前は、トランクルームといえば、企業以外では富裕層の利用が目立っていましたが、最近では一般の人にもトランクルームが普及してきました。これには、2011年の東日本大震災の影響があると考えられています。普段使わない家財道具等をトランクルームに預けておくことで、万が一自宅が倒壊してもリスクの分散が図れるという目的があるのです。トランクルームは、運営形態や収納の仕方でいくつかに分類されます。それでは、まず運営形態による分類からみていきましょう。

・倉庫業法に基づいた国土交通省が定める「標準トランクルームサービス約款」が採用されている営業倉庫型トランクルームです。寄託契約によって物品を預け、荷物の出し入れは倉庫業者が行うか、利用者が行う場合には倉庫業者が立ち会うことになっています。

・不動産業者が収納スペースを提供するサービスとしてのトランクルームです。倉庫業法によるものではなく、不動産賃貸借契約によるサービスであるため、不動産業者は預かった荷物に対する保管責任を負いません。荷物の出し入れは一般的に利用者本人が24時間いつでも自由に行うことができます。
では、次に収納方法によるトランクルームの分類についてみていきたいと思います。

・屋内型:ビルやマンションの一室を様々な大きさのスペースに分割し、トランクルームとして提供します。都心に多くあるタイプのトランクルームです。料金は屋外型に比べて高く、管理費がかかる場合もあります。管理人が常駐しているビルやマンションもあるため、セキュリティがしっかりしている点もメリットです。スペースがあまり広くないため、大型の荷物の保管には適していません。

屋内型トランクルーム イメージ画像

屋内型トランクルーム イメージ画像

・屋外コンテナ型:空き地等にコンテナを設置して、中に荷物を収納します。郊外に多くあるタイプのトランクルームで、目の前まで車で荷物を運ぶことができる点が便利です。費用は屋内型に比べて割安で、スペースが広いため大型の荷物も保管できます。半面、屋外のため、湿度管理等がされず、書類や書籍、毛皮等、デリケートな物品の保管には適さない面もあります。雨風の強い日に荷物の保管や出し入れを行うと物品が傷んでしまう可能性もあります。

屋外型トランクルーム イメージ画像

屋外型トランクルーム イメージ画像

また、新しいトランクルームサービスとして、近年注目を集めているのが宅配型のトランクルームです。宅配型トランクルームとは、利用者本人ではなく、運送業者や引っ越し業者のスタッフが代わりに荷物をトランクルームまで運び、保管や出し入れを行ってくれるサービスです。通常のトランクルームの場合には、車がないと荷物を預けたり、出し入れをしたりすることが困難ですが、この宅配型トランクルームサービスは車を所有していない人にも適しています。また、サービスによってはWebから荷物の保管、出し入れを申し込むことができるほか、段ボール1箱分のスペースから借りることも可能なため、費用もリーズナブルで済みます。保管場所は郊外が多いですが、配送業者が運搬してくれるので距離を気にする必要はないでしょう。保管している荷物の内容はWebから写真で確認することができるようになっています。宅配型トランクルームのデメリットは、預けている荷物が必要になった時に手軽に自分で取りに行くことができないことです。運送業者に配送してもらうには、まずWeb等で手続きが必要となるため、その手間を面倒だと感じる人もいるかもしれません。また、荷物が届く日には自宅で待機している必要もあります。
このように、近年、利用者の増えているトランクルームには、様々な種類があります。中でも、最近注目を浴びている宅配型トランクルームは、自分で荷物の運搬をしなくて良いのが何よりの魅力です。社用車を所有していない企業が日常使用しない事務機器等を収納する場合にも適しているのではないでしょうか。トランクルームサービスを利用する際には、それぞれのトランクルームの特徴をよく理解し、最適なサービスを選択するようにしたいですね。

技術の粋を尽くした東京スカイツリーの建築

東京スカイツリーは、2012年竣工の高さ634mの電波塔であり観光施設です。東京スカイツリーができるまで、日本で最も高い建造物は東京タワーでした。東京タワーの高さは約333m。東京スカイツリーはその倍の高さを実現しているのです。その完成には約4年の設計期間と3年8か月の建設期間を費やしたと言われています。 縦に細長いタワーは、東京タワーのように末広がりの形状の方が通常、安定性を確保できます。しかし、東京スカイツリーの建設地は細長い地形の貨物列車駅跡地でした。そのため、円や四角形で足元の基礎部分を作るとなると一辺の長さが十分に取れません。そこで考え出したのが基礎部分を正三角形にすることでした。建物は高さが高い程、地震や強風などによる揺れの際に基礎部分に大きな力がかかります。

東京スカイツリー 外観

東京スカイツリー 外観

そこで、東京スカイツリーは基礎の杭を節付きの壁杭にして摩擦抵抗を大きくすることで、揺れに抵抗しています。さらに壁杭を放射状に地中に張り巡らせ、木の根っこのように大地の地盤と一体化させる仕組みにしているのです。 東京スカイツリーは鉄骨造ですが、部材に一般的な鉄骨の2倍の強度を誇る高強度鋼管が使用されており、基礎部分の鋼管は直径2.3m、厚さ10cmにも及びます。前述のように、タワーの断面は地上の真上では正三角形です。しかし、上階の展望台では全方位が見渡せるように円形にする必要がありました。そのため、足元の正三角形が上に上がるにつれて丸みのある三角形へと変化し、高さ320m地点で円となる世界的にも例のないユニークな形状が誕生したのです。しかし、このような特徴的なタワーが完成するまでの道のりは簡単なのもではありませんでした。塔体は複雑な曲面を描きながら上へと伸びていくことになります。実現には、従来のそれを大きく超えた建築技術が求められ、設計の段階では40個に及ぶ模型が作成されました。このうち、最も構造的に無理が少なく、かつ強度の高い形状の模型が採用されました。この形状は、日本刀の「そり」と奈良時代に建築された法隆寺や平安時代に建築された寺院の円柱にみられる「むくり」など日本の伝統建築の技術が駆使されています。この「そり」と「むくり」の融合されたデザインにより、東京スカイツリーは見る方向によって傾いていたり、裾の部分が非対称にも見えるようになっています。 また、東京スカイツリーは、外周部の鉄骨造の塔体と中央部の鉄筋コンクリート造の心柱と呼ばれる円筒の2種類の構造体から成っています。塔体と心柱は地上125mまでの可動域ではオイルダンパーによって接続されていますが、構造的には分離されており、地震や強風による揺れの際に中央部の心柱部分が「おもり」として機能するようになっています。具体的には、「おもり」となる心柱が構造物本体とタイミングをずらして揺れることで、揺れを相殺させ、建物全体の揺れが抑制される新しい制振システムが実現されているのです。東京スカイツリーでは心柱となる円筒部分の内部は階段室となっています。一般的に、建築物の「おもり」にはコンクリートや鋼の塊が使用され、心柱を建物の「おもり」として活用するのは世界でも初めての試みです。 この塔の内部に独立した柱を設ける心柱の構造は、実は日本古来の建築物である五重塔に用いられています。五重塔は、法隆寺をはじめ、日光東照宮や醍醐寺にありますが、木造建築物にも関わらず、今までに地震による倒壊の記録がありません。そして、その理由には塔体から構造的に独立した心柱の存在があると推測されています。ただし、東京スカイツリーの制振構造は五重塔を模倣した訳ではなく、634mの高さのタワーの建設に現代の技術を応用した結果、類似した構造になったというのが事実のようです。しかし、だからこそ古代の人の知恵と五重塔の構造は素晴らしく、それらに敬意を表して東京スカイツリーの設計を行った日建設計は、この制振構造を「心柱制振システム」と名付けたと言われています。 また、東京スカイツリーは、色彩にも日本の伝統色が配されています。「スカイツリーホワイト」として知られるそのカラーは、藍染の最も薄い色である藍白(青みがかった白)をベースにしたオリジナルカラーです。ライティングデザインは、江戸で育まれてきた心意気の「粋」と隅田川をイメージしたブルー、そして日本の美意識を表す「雅」の紫の2種類が一日毎に交代で灯されます。さらに、地球環境に配慮するという観点から全ての照明をLEDで揃え、省エネにも貢献しています。 近年、都心では再開発が活発に行われ、複合施設や大規模賃貸事務所の建設も盛んに進められています。2011年に発生した東日本大震災以降、建物の建築には地震対策が今まで以上に重要視されてきました。また、世界的な課題となっている地球温暖化対策も継続して取り組んでいかなければならない問題です。多くの複合施設や賃貸事務所の建設が進む一方で、安全で地球環境に優しい建物作りのための技術が求められているのです。照明のLED化は現在までにも導入されてきましたが、東京スカイツリーの建設に活用された「心柱制振システム」等の最新技術もこれからの施設やビルの建設に大きく寄与することは間違いないでしょう。

羽田空港からのアクセスがしやすい駅

羽田空港

羽田空港

羽田空港、正式名称「東京国際空港」は、東京と国内、海外の様々な地域を結んでいます。国内、海外への出張が多い企業様は、賃貸事務所を借りる際、羽田空港への利便性をオフィス移転の条件のひとつとして考えられるのではないでしょうか。そこで、今回は羽田空港へのアクセスが便利な鉄道路線の駅についてみていきたいと思います。羽田空港へのアクセスが便利な駅周辺で、賃貸事務所をお探しの企業様は是非参考になさってください。
羽田空港の駅に乗り入れている鉄道路線は、東京モノレールと京浜急行電鉄空港線の2本です。東京モノレールは、モノレール浜松町駅を起点に羽田空港第2ビル駅までを結んでおり、途中に羽田空港国際線ビル駅、羽田空港第1ビル駅を経由します。一方の京急空港線は、京急蒲田駅を起点、羽田空港国内線ターミナル駅を終点とする路線です。羽田空港国内線ターミナル駅のひとつ手前に羽田空港国際線ターミナル駅が所在しています。東京モノレールの羽田空港国際線ビル駅は、京急空港線の羽田空港国際線ターミナル駅と同一となります。京急空港線は、その大半が京浜急行本線と直通運転を行っています。京浜急行本線は、都営地下鉄の浅草線に乗り入れており、その多くが京成電鉄の押上線、京成本線を経由して成田スカイアクセス線などと繋がっています。京急空港線は、エアポート快特、快特、特急、エアポート急行、普通の5種類の路線がありますが、エアポート快特と快特以外の鉄道は、空港線の全ての駅に停車します。これに対して、エアポート快特は品川駅から羽田空港国際線ターミナル駅までをノンストップで走っており、快特は空港線内では品川駅の次に京急蒲田駅に停車し、その後は停まらずに羽田空港国際線ターミナル駅までを結んでいます。快特とエアポート急行は蒲田駅で京浜急行本線に乗り換えて横浜方面に行くこともできます。さらにエアポート急行は川崎方面へも走っています。
それでは、羽田空港にアクセスがしやすい駅を具体的にみていきましょう。羽田空港へのアクセスが便利な駅としてまず挙げられるのは、前述した東京モノレール、京急空港線の停車駅です。中でも、東京モノレールの起点駅の浜松町駅と京急空港線の起点駅の品川駅は、駅周辺にオフィス街が形成されている賃貸事務所ニーズの高いエリアです。
浜松町駅周辺は、小・中規模及び大規模のオフィスビルが林立し、東京でも有数のオフィス街が広がっています。駅の西側にランドマークでもある世界貿易センタービルが建っているほか、北口は大手企業の本社ビルや複合施設が建ち並ぶ汐留シオサイトの南側の玄関口として知られています。浜松町駅周辺は、様々な規模の賃貸事務所が存在するため、あらゆる企業様のニーズに対応できるエリアと言えるでしょう。
品川駅周辺も、都内有数のオフィス街です。特に東側の港南口は、近年の再開発により高層オフィスビルやマンションが多数建設されています。交通利便性も高く、今後もさらに賃貸事務所の需要が高まることが予想されます。
また、山手線で品川駅からすぐの大崎駅・田町駅・五反田駅、京浜東北線でやはり品川から近い大井町駅や大森駅も羽田空港まで30分弱でアクセスできる駅です。オフィスビルも多く、品川や浜松町などの大規模なオフィス街が形成されているエリアからも近いため、賃貸事務所ニーズが高くなっています。
他にも、京急空港線と直通運転を行っている京浜急行本線、乗り入れ路線である浅草線、京成押上線の停車駅も羽田空港へのアクセスが便利です。例えば、快特やエアポート急行が停車する京急蒲田駅は、その代表的な存在でしょう。商業施設が多く、商店街も活発なため、貸店舗ニーズの高い地域と言えます。
さらに、浅草線上の泉岳寺駅、新橋駅、日本橋駅などは東京でも有数のオフィス街でもあり、羽田空港へ乗り換えなしでアクセスすることができます。
神奈川方面では、京急蒲田駅で京浜急行本線に乗り換えて1本でアクセスできる京急川崎駅や横浜駅も羽田空港へのアクセスがしやすい駅です。横浜駅周辺は、横浜都心に指定され、大規模な繁華街を形成しています。大手企業の本社ビルや高層ビルも多く、オフィス街と繁華街の両方の顔を持つエリアのため、賃貸事務所ニーズ、貸店舗ニーズ共に大変高くなっています。
このように、羽田空港へのアクセスが便利な路線駅は、羽田空港駅に乗り入れている東京モノレールと京急空港線が停車する駅はもちろん、そこから乗り換え1回でアクセスできる駅、また京急空港線が乗り入れている京急本線や都営浅草線上にある駅などになります。これらの駅は、羽田空港へのアクセスがしやすいだけでなく、他の様々な路線が乗り入れており、都心をはじめ関東の各地域へのアクセスが便利な駅も多くあります。出張で飛行機を利用することの多い企業様は、羽田空港へのアクセスがしやすいことはもちろん、各駅周辺の様相や交通利便性などをよく確認して、賃貸事務所をお探しになると良いでしょう。

東海道新幹線の停車する駅

東海道新幹線

東海道新幹線

東海道新幹線は、東京駅・新大阪駅間を繋ぐJR東海の高速鉄道路線です。今回は、東海道新幹線の停車する駅と賃貸事務所の関係についてみていきましょう。
東海道新幹線が停車する駅を東から順に挙げていくと、東京都の東京駅・品川駅、神奈川県の新横浜駅・小田原駅、静岡県の熱海駅・三島駅・新富士駅・静岡駅・掛川駅・浜松駅、愛知県の豊橋駅・三河安城駅・名古屋駅、岐阜県の岐阜羽島駅、滋賀県の米原駅、京都府の京都駅、大阪府の新大阪駅となります。
ただし、東海道新幹線には、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の3種類の列車が走っており、そのうち「のぞみ」と「ひかり」は全ての駅に停車する訳ではありません。
「のぞみ」は、1992年に運行を開始した最速の新幹線です。運行本数は東海道新幹線全体の約5割を占めています。東京駅を出発後、品川駅、新横浜駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅のみに停車し、東京駅・新大阪駅間を約2時間30分で走っています。
「ひかり」は現在、東海道新幹線の約2割を運行しており、「のぞみ」の停車駅全てに停車します。そのほか、熱海駅・静岡駅・浜松駅に停車する列車、三島駅・静岡駅・浜松駅に停車する列車、静岡駅・浜松駅に停車する列車および、小田原駅・岐阜羽島駅・米原駅に停車する列車、豊橋駅・岐阜羽島駅・米原駅に停車する列車があります。この岐阜羽島駅、米原駅に停車する「ひかり」は名古屋駅・新大阪駅を各駅停車で結んでいます。また、「ひかり」は山陽新幹線に乗り入れている列車もあるのが特徴で、新大阪駅から岡山駅や広島駅、博多駅等までを繋いでいる運行列車もあります。
「のぞみ」「ひかり」に対し、「こだま」は各駅停車の列車で、運行本数は東海道新幹線全体の約3割です。「ひかり」と同様、「こだま」も山陽新幹線に乗り入れています。
東海道新幹線が停車する駅の中でも「のぞみ」の停車駅は各地域のターミナル駅であり、駅周辺にオフィス街が形成されている街が多くなっています。次にそれぞれの駅の特徴と周辺の様子について詳しくみていきましょう。
東海道新幹線の起点である東京駅は、上野駅と共に東京の玄関口として知られています。言わずと知れたビッグターミナルで、東海道新幹線のほか、JR東日本の東北新幹線が乗り入れています。東北新幹線は、それぞれ上越新幹線、北陸新幹線、北海道新幹線、山形新幹線、秋田新幹線に乗り入れており、東京駅から日本の北方面の様々な地域にアクセスすることができます。さらに、在来線の運行系統も多岐に渡り、JR東日本の東海道線・上野東京ライン・京浜東北線・山手線・中央線・横須賀線・総武線・京葉線、東京メトロの丸ノ内線が東京駅に乗り入れています。また、大手町駅や日本橋駅、三越前駅、二重橋前駅、日比谷駅、有楽町駅等、地下鉄駅が東京駅から徒歩圏内に位置し、都内各所にアクセスがしやすいのも特徴です。
東京駅周辺には日本でも有数のオフィス街が形成されています。八重洲口には商社等の大手企業のオフィスビルが林立し、丸の内エリアには丸の内ビルディング、新丸の内ビルディング等の複合施設が建ち並んでいます。このように東京駅は日本を代表するターミナル駅であり、オフィス街です。大規模ビルも多く、賃貸事務所ニーズも大変高いエリアとなっています。
次の品川駅も東海道新幹線の他に、東海道線、京浜東北線、山手線、横須賀線、京浜急行電鉄の京浜急行線が乗り入れるターミナル駅です。駅周辺の様相は、西側の高輪口にはシティホテルが建ち並び、東側の港南口には高層ビルや大手企業の入居するビルが林立しています。再開発によって建設されたオフィスビルも多く、近年賃貸事務所ニーズが高まっているエリアです。
新横浜駅には、東海道新幹線以外にJR東日本の横浜線、横浜市営地下鉄ブルーラインが乗り入れています。駅周辺は、北口方面にオフィスビルや商業施設が集結しています。大規模イベントホールとして有名な横浜アリーナも北口エリアに立地しています。
名古屋駅には東海道新幹線の他に、JR東海の東海道本線・中央本線・関西本線、名古屋臨海高速鉄道の西名古屋港線、名古屋市営地下鉄の東山線と桜通線が乗り入れています。駅周辺の様相は、東側の桜通口と広小路口に商業施設や高層オフィスビルが林立しています。愛知県内においても賃貸事務所ニーズが大変高いエリアと言えるでしょう。西側の太閤通口は東側に比べて開発が遅れていますが、近年発展がみられるエリアでもあり、今後賃貸事務所ニーズが高まることが期待されます。
次の京都駅も東海道新幹線の他、JR西日本の東海道本線・山陰本線・奈良線、近畿日本鉄道の京都線、京都市営地下鉄の烏丸線が乗り入れるターミナル駅です。駅周辺には商業エリアが形成されており、賃貸事務所ニーズはもちろん、貸店舗ニーズも高くあります。
新大阪駅は、東海道新幹線の終点であると共に山陽新幹線の起点駅にもなっています。乗り入れ路線は東海道新幹線、山陽新幹線の他に東海道本線、大阪市営地下鉄の御堂筋線が乗り入れています。複数の在来線の特急が停車するターミナル駅であり、福知山線を経由した山陰方面の特急と南紀方面への一部特急は新大阪駅を始発としています。駅周辺は関西エリアを代表するオフィス街が形成され、大手企業の本社ビル等も多く立地しています。常に多数のオフィスワーカーが行き交い、賑わいを見せていますが、商業施設の数が少ないのが特徴です。近年は再開発が盛んで、高層ビルの建設が進められています。京阪神地区はもちろん、日本各地へのアクセスがしやすいですが、その割に賃料が低い傾向にあるため、賃貸事務所ニーズが大変高くなっています。このような特徴から新大阪駅周辺は起業時の拠点を構える場所として選択されることも多く、ベンチャー企業が集結するエリアでもあります。
このように、新幹線が停車する駅は交通利便性が高いため、その周辺に賃貸事務所を借りるメリットは大変大きいと言えるでしょう。

賃貸事務所を契約した後にかかる内装費

内装工事

内装工事

事務所の移転には様々な費用が発生します。その中でも賃貸事務所を契約した後に発生する内装工事費は、全体の5割を占める大きな費用です。内装工事費は、新しく開設するのが事務所なのか店舗なのかによっても金額が異なります。一般的に飲食店等の店舗よりも事務所の開設にかかる費用の方が低い傾向にありますが、これは、飲食店の厨房設備や給排水設備が通常の事務所では必要ないためです。デザイン等にもよりますが、一般的な内装工事費は坪単価10~30万円程度と言われています。20坪の事務所で20万円として計算してみると20坪×20万円=400万円、30坪なら30坪×20万円=600万円の内装工事費がかかることになります。従業員の人数から、どの位の坪数の賃貸事務所を借りるのかを検討し、内装工事費がどの程度必要なのかを事前に把握しておくと良いでしょう。
引き渡し状態がスケルトンの場合、店舗の内装工事には、床、天井、壁紙等の仕上げ工事が発生し、事務所の内装工事にはパーテーション工事が発生します。また、電気、水道、ガスをはじめ、電話や配線、インターネット回線のLAN工事等、設備工事を含む場合もあります。
内装工事は、新しい事務所にどのようなスペースを設けるかによっても費用に差が出てきます。賃貸事務所に必要なスペースとして、まず考えられるのはエントランスです。賃体事務所の顔となるエントランスでは、ロゴサインや入口ドアの設置、壁の仕様、照明等にこだわりたい企業様も多いでしょう。また受付カウンターや電話の設置を希望される場合もあるかもしれません。そして、賃貸事務所に欠かせないワークスペース。従業員が各々の仕事をやりやすいようにパーテーションを設置したり、配線等にも気を配る必要があります。さらに、ワークスペースとは別に会議室の設置を希望される企業様も多いでしょう。社内でのミーティングのほか、取引先との打ち合わせ、来客時の応対にも活用できる会議室は、ワークスペースと同様、パーテーションを設置するなどして落ち着いた雰囲気作りが大切です。また、リフレッシュスペースを設ける場合には、ソファ等の家具のほか、給湯設備やカウンター等の設置も検討事項となります。また、企業様によっては社長室を別に設置したい場合もあるでしょう。これらの各スペースを壁で仕切って個室にするか、パーテーションやガラスで仕切って開放的な雰囲気を演出するかによっても内装工事にかかる費用は異なります。
さらに内装工事費で差が生じるのがデスク、イス、キャビネット等の家具、什器類です。天井や壁等は、デザイナーズオフィスにする場合などを除き、一般的な仕様がほぼ決まっているため、費用に差が出にくい部分です。しかし、家具類はグレードによる差が大きく、選ぶものによって費用も大きく異なります。起業時の移転コストを抑えたい場合には、量販店やインターネットで比較的安いデスクやイスを購入される企業様が多いようです。
また、内装工事費をできるだけ抑えたい場合には、家具だけでなく、レイアウトやデザインを再検討することも必要です。例えば、会議室と会議室を天井までの壁で仕切って個室化するのと低いパーテーション等で仕切るのとでは、費用もだいぶ変わってきます。
また、電気、水道、ガス、給排水、空調等の設備工事には、A工事、B工事、C工事の3種類があります。A工事とは貸主の指定した業者で、貸主が費用を負担して行う工事です。B工事は貸主が指定した業者で、借主が費用を負担する工事になります。C工事は借主が費用を負担しますが、工事業者を借主が指定することができます。A工事に関してはビル自体の工事である場合が多く、貸主が費用を負担するため入居者にとってはあまり関係がありませんが、B工事とC工事は借主が費用を負担するため、契約内容をよく把握しておくことが大切です。C工事は借主が工事業者を指定できるため、数社で相見積もりを取って費用を下げられる可能性があります。工事費を低く抑えたい場合には、初めからC工事ができる部分の多いビルを探すこともひとつの手かもしれません。
内装工事費は移転にかかる費用のうち、約半分の割合を占めています。オフィス移転を成功させ、新しい賃貸事務所で気持ちよくスタートを切るためにも、内装工事費の相場等について正しく理解し、賢い選択をしていきましょう。