オフィスの移転を考えた時に、これから契約する賃貸オフィスのセキュリティがしっかりしているかどうかは気になるポイントではないでしょうか。最近では、機械警備を導入している賃貸オフィスが増えてきました。事務所を借りる条件に「機械警備が導入されているか」を挙げる企業様も多くなっています。今回は、機械警備とはどんなものなのかご説明していきたいと思います。
機械警備とは、警備員を建物内に配置する常駐警備に対して、貸室に機械のセンサーを設置する警備方法です。建物に不審者が侵入するとセンサーが察知し警報を発しますが、それが警備会社のセンターで受信され、待機している警備員が建物に向かいます。有名な警備会社にはセコムやALSOKなどがあります。最近ではたくさんの賃貸オフィスに機械警備のシステムが導入されてきています。建物内の異常を受信するセンサーは、建物内部ではなく、警備会社が設置している基地局にあります。基地局には、警備員が常駐していて異常が発生していないかどうかを監視しています。
賃貸オフィスは、現金や宝石などが置いてあることは少ないので、住宅と比べると泥棒が入りにくい場所ではあります。ただ、最近ではパソコンなどの電子機器や機密データを狙う泥棒もいるので用心するに越したことはないでしょう。賃貸オフィスは、夜間や土日・祝日に人が不在となる場所なので、その時を狙って、泥棒が侵入するケースが多いようです。このような理由から、いつでも不審者の情報を察知できる機械警備を導入している賃貸オフィスが多くなっているのです。また、賃貸オフィスの他には金融機関や教育機関など、同じように夜間や休日に無人となる施設に機械警備が導入されています。
機械警備の種類は色々あります。そして、どんなタイプの機械警備を導入しているかは貸事務所によって違います。そこで、次は機械警備の種類について見ていきたいと思います。まず、機械警備には入退室を管理するシステムがあるので、操作方式別にご説明していきますね。
1.テンキーリーダ
昔からある機械警備システムです。文字列が配置してあるパネルに各企業様が決めた暗証番号を入力して、解錠、施錠をします。
2.セキュリティカードリーダ(差し込みタイプ)
貸事務所のエントランスやオフィスの玄関に設置されたリーダにセキュリティカードを差し込んで、解錠、施錠をするシステムです。
3.非接触型カードリーダ
セキュリティカードを使用して入退室をしますが、リーダに直接触れることなく、かざすだけでエントランスやオフィスのドアの解錠、施錠ができる機械警備システムです。
4.指紋照合型
リーダに登録した指紋と合致すると解錠、施錠され、入退室ができるようになります。
5.ハンズフリー認証システム
小さなタグをポケットや鞄に携帯してエントランスやオフィスの玄関に近づくと認証される機械警備システムです。
お話したように、入退室管理システムには色々な種類があります。そして、それぞれにメリット・デメリットがあります。カードを使用するタイプは、もしも紛失すると再発行が必要となってしまいます。テンキーリーダや指紋照合型は、何人もの人がリーダ部分に触れるので衛生的に良くないと思われることもあります。また、カードタイプ、テンキー、指紋照合型は手が荷物などでふさがっている時には操作がしにくいという問題があります。その点、ハンズフリーシステムは手がふさがっていても認証されて便利です。しかし、解錠したくない時でもドアが開いてしまうことがあり、不審者侵入などの問題を抱えているのも事実です。
他に、入退室管理システム以外の機械警備を導入している貸事務所もあります。例えば、無人受付システムなどです。無人受付システムでは、エントランスに受付の人の代わりに受付パネルを設置しておき、来訪者がパネル操作をすると事務所内に連絡が届くようになっています。そして、次にオフィスの側でドアの解錠などの操作をすると入退室ができるようになります。無人受付システムは、人による案内より取次ミスが少なく、効率が良いメリットがあります。また、大規模ビルなどでは、エントランスにセキュリティゲートが設置されているのを目にされることも多いと思います。セキュリティカードを使用することでゲートを通過できるようになっているので、カードを持っていない部外者の侵入を防ぐことができます。さらに、防犯カメラを設置している賃貸オフィスも沢山あります。一般的にはエントランスやエレベーターの中などに設置されていることが多いようです。防犯カメラは目の付く所に設置すれば犯罪防止にもなり、また、事件が発生してしまった時にもカメラに写っている映像を使って捜査に役立てることもできます。
これらの機械警備が普及したことで、賃貸オフィスの中に警備員が常駐する警備方法は前よりも少なくなってきました。警備員を置いて有人管理をしている物件もありますが、その分の人件費もかかってくるので、最近では機械警備を導入している賃貸オフィスが多くなっています。入居した後に安心して仕事に打ち込めるように、内見の時には、その賃貸オフィスにどんな警備システムが導入されているのかをよく確認してくださいね。