大阪府咲洲庁舎

大阪府咲洲庁舎 外観

大阪府咲洲庁舎は、大阪市住之江区南港北に位置する地上55階、地下3階建ての超高層ビルです。高さは256mで、現在、りんくうゲートタワービルの256.1mに次いで、日本で4番目となっています。通称は「さきしまコスモタワー」。敷地面積は20,000㎡、延床面積は149.296㎡に及びます。旧名称は「大阪ワールドトレードセンタービルディング」でしたが、2010年大阪府に譲渡されたことにより、現在の大阪府咲洲庁舎に変更となりました。大阪ワールドトレードセンタービルディングは、世界貿易センタービルのひとつとして、大阪市港湾局が中心となり、第三セクター方式で建設されました。竣工は1995年3月。その後、大阪湾岸におけるランドマークと評され、1996年度の第16回大阪都市景観建築賞(大阪まちなみ賞)の大阪市長賞を受賞しています。当初は、賃貸オフィスと商業施設から構成される複合施設として建設されましたが、バブルの崩壊や交通利便性の問題が要因となったことで、周辺エリアの開発が思うように進まず、空室が発生。そのため、大阪府は、水道局や環境局等の行政部門や第三セクター等を大阪ワールドトレードセンタービルディングに移転させました。その後、前述のように大阪府に建物自体が譲渡されたことにより、ビル名を現在の大阪府咲洲庁舎に改称。大阪市部局の移転は2011年に完了しています。
それでは、現在の大阪府咲洲庁舎の入居団体をフロア毎にみていきましょう。1階と2階には住宅まちづくり部の建築振興課が入居。3階には総務部の人事局、6階には府民文化部の府政情報室分室が入居しています。7階から17階はオフィスフロアとなっていますが、空室率の改善が進まず、2017年8月、「さきしまコスモタワーホテル」の入居が決定しました。2018年8月に一部開業し、2020年には全面開業の予定となっています。18階には財務部の税務局と財産活用課、19階には総務部の統計課と統計資料室、20階には都市整備部の港湾局咲州分室が入居。21階から23階には環境農林水産部が入居しています。21階には環境農林水産部の循環型社会推進室と動物愛護畜産課、環境管理室が入居しており、22階には、環境農林水産部の環境農林水産総務課とエネルギー政策課、みどり推進室、農政室、水産課、そして海区漁業調整委員会事務局が入居しています。23階には環境農林水産部の検査指導課と流通対策室、その他に海区漁業調整委員会事務局分室が入居中です。24階と25階は商工労働部が入居。24階には商工労働部の雇用推進室と商工労働総務課分室、中小企業支援室分室、雇用推進室分室が入居しており、25階には商工労働部の商工労働総務課と成長産業振興室、さらに中小企業支援室が入居しています。26階と27階は1階、2階と同じ住宅まちづくり部です。26階に住宅経営室と公共建築室が、27階に住宅まちづくり総務課、都市居住課、タウン推進局分室、建築防災課、建築指導室が入居中です。29階には教育庁の文化財保護課、人事委員会事務局、職員総合相談センター、収用委員会事務局が入居。31階にはIR推進局の企画課・推進課、住宅まちづくり部の都市空間創造室が入居しています。少し上の35階と37階、38階には、府民文化部が入居中。35階には文化部の大阪マラソン組織委員会事務局、37階には都市魅力創造局、文化・スポーツ室、百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議事務局、ラグビーワールドカップ2019大会準備共同事務室、38階には府民文化総務課、人権局、水都大阪コンソーシアム事務局が入居しています。40階と41階には総務部の職員研修センターが入居。43階には総務部の庁舎室と住宅まちづくり部の住宅経営室分室が入居しています。
最後に、大阪府咲洲庁舎へのアクセスについてご紹介しましょう。大阪府咲洲庁舎は、連絡通路にて「アジア太平洋トレードセンター」「ハイアットリージェンシー大阪」「大阪国際見本市会場」と繋がっています。地下鉄中央線のコスモスクエア駅から南東に約600m程歩くとアクセスできるほか、ニュートラム南港ポートタウン線のトレードセンター前駅で下車し、「アジア太平洋トレードセンター」より直結アクセスも可能です。
このように、現在大阪府民にとって重要な役割を果たす行政部局が多く入居している大阪府咲洲庁舎。2018年度には「さきしまコスモタワーホテル」が一部開業し、新たな出発となります。様々な紆余曲折を経てきた賃貸オフィスビルの今後の展開が期待されます。