オフィスエリアとして人気の高い大手町と丸の内

千代田区の東側に位置する大手町・丸の内は、区内においても賃貸オフィスビルが集結するエリアで、都内のみならず日本のビジネスの中核を担っています。グレードの高い賃貸オフィス物件も多く、名だたる一流企業が拠点を構えているビルも多数あります。
今回は、日本のビジネスの中心地であり、オフィスエリアとして人気の高い大手町・丸の内について詳しくみていきましょう。

大手町・丸の内エリアの様子

大手町・丸の内は、皇居東側に位置し、内堀通りと外堀通りに挟まれたエリアです。日本を代表するオフィス街である東京駅周辺を中心に多数のオフィスビルが軒を連ねています。
丸の内は、皇居外苑と東京駅に挟まれたエリアで、北面が大手町エリアと隣接し、オフィス街を形成しています。1894年に丸の内エリアで最初のオフィスビルである「三菱一号館」が竣工しました。これをはじめとして、ロンドンのロンバード街をモチーフにした赤煉瓦街が建設されたことから、この辺り一帯は「一丁倫敦」と呼ばれるようになったと言われています。このような経緯から、大手町・丸の内には三菱地所が所有する賃貸オフィスビルや三菱グループの本社が集結しています。それ以外にも、政府系の金融機関をはじめ、商社、銀行、マスコミ関連の本社も多数拠点を構えています。以前は、皇居がすぐ近くに立地していることも関係し、建築基準法によって建築物の高さが制限され、低層ビルが目立っていました。しかし、近年ではこの規制が緩和され、高層オフィスビルの建設が進んでいます。特に、丸の内ビルディングが2002年に竣工してからは、周辺の再開発事業が推進されています。
それでは、大手町・丸の内エリアに立地する代表的なオフィスビルと拠点を構えている企業をみていきましょう。
まずは大手町1丁目です。大手町1丁目には、三菱地所が入居する「大手町パークビルディング」をはじめ、産経新聞東京本社、株式会社UACJが入居する「東京サンケイビル」や協和発酵キリン株式会社、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行が入居する「大手町ファイナンシャルシティ」、NTTの持株会社である日本電信電話株式会社やみずほ証券、UBS証券株式会社が入居中の「大手町ファーストスクエア」、読売新聞東京本社、中央公論新社が入居する「読売新聞本社ビル」、JXTGエネルギー株式会社が拠点を構える「JXビル」、大平洋金属が入居する「大手町ビル」等、多数の大規模ビルが立地しています。丸紅株式会社が入居していた「丸紅ビルヂング」は、現在建て替え中で新本社ビルが2020年に竣工予定です。他にも、三菱マテリアル等が入居中の「経団連会館」、全国共同農業組合の団体が拠点を置く「JAビル」、日本経済新聞社の「日本経済新聞社東京本社ビル」も立地しています。この「経団連会館」「JAビル」「日本経済新聞社東京本社ビル」の3棟は再開発事業により、大手町合同庁舎跡地に移転し、2009年に竣工しました。東から「経団連会館」「JAビル」「日本経済新聞社東京本社ビル」の3棟がそびえ立っています。3棟のビルは低層部で連結しており、国際会議等も可能な会議室の併設された「大手町カンファレンスセンター」となっています。また、大手町2丁目には、朝日生命保険相互会社や信越化学工業が拠点を構える「朝日生命大手町ビル」が立地しています。
次に丸の内立地する賃貸オフィスビルをみていきましょう。丸の内1丁目には、三菱ケミカルホールディングス本社等が入居する「パレスビルディング」をはじめ、三井住友ファイナンシャルグループ本社が拠点を構える「三井住友銀行本店ビルディング」、三井物産本社が入居する「日本生命丸の内ガーデンタワー」、東京海上ホールディングス株式会社や東京海上日動火災保険本社等が入居中の「東京海上日動ビルディング」、三菱UFJリース本社、旭硝子本社が拠点を構える「新丸の内ビルディング」等が建ち並びます。また、複合施設の「丸の内オアゾ」には、「丸の内センタービル」「新丸の内センタービル」「丸の内北口ビル」「日本生命丸の内ビル」のオフィスビル群があります。他にも「サピアタワー」やN館、本館の2棟から成る「丸の内トラストシティ」が立地しており、本館にはカルビー本社が入居しています。東京駅八重洲口付近に立地する「グラントウキョウ」はノースタワー、サウスタワーの2棟の高層オフィスビルから構成され、ノースタワーに大和証券グループが、サウスタワーにはリクルート本社が居を構えています。丸の内2丁目には、複合施設である「丸の内マイプラザ」に明治生命会館と明治安田生命本社ビルがそびえているほか、「丸の内三井ビルディング」や「丸の内仲通りビル」「三菱商事ビルディング」等が立地。その他にも、日本郵船本社等が入居する「日本郵船ビルディング」「丸の内ビルディング」東京商工会議所等が入居中の「丸の内二丁目ビル」、三菱商事本店等が入居している「丸の内パークビルディング」、東京中央郵便局、ゆうちょ銀行本店、コニカミノルタ本社が拠点を置く「JPタワー」、三菱電機本社、JPモルガン本社が入居中の「東京ビルディング」が立地しています。
このように、大手町・丸の内エリアには著名な一流企業が集結して拠点を構えています。交通アクセスも抜群で、日本を代表するターミナル駅である東京駅をはじめ、地下鉄5路線が乗り入れる大手町駅や二重橋前駅、有楽町駅、日比谷駅にも徒歩でアクセスが可能です。
このように大手町・丸の内以外に拠点を置く取引先企業との往来が便利な点も、このエリアの大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
また、東京駅の八重洲口周辺では、再開発事業が盛んで、大規模な賃貸オフィスビルの建設が進んでおり、2020年の東京オリンピック前後には、インフラ面もより整備されることが予想されています。この東京駅八重洲口の再開発に伴い、大手町・丸の内エリアの利便性やBCP対策もさらに強化されていくでしょう。このようなビジネスが進化し拡大する条件が多数整っていることに加えて、皇居周辺の緑豊かなロケーションも魅力的な大手町・丸の内エリア。日本有数のビジネス街から世界に向けて、今後さらなる飛躍を遂げていくことは間違いなさそうです。