賃貸事務所の選び方

オフィスを移転する時、起業して新規でオフィスを借りる時、何を優先して賃貸事務所を選べばよいのでしょうか。各企業によって優先する条件は異なりますが、自分の会社が何を目的として、新しく賃貸事務所を借りるのかきちんと把握しておくことは、オフィス選びの成功に繋がります。今回は、賃貸事務所を選ぶ上でポイントになってくる条件等をご案内していきます。

賃貸事務所を選ぶ際には以下のような条件が自分の会社に適しているかを見極める必要があります。順番にみていきましょう。

・立地条件従業員がアクセスしやすい物件であることが大切です。最寄り駅の乗り入れ路線等を確認しておきましょう。その他、近くにコンビニや飲食店、郵便局、金融機関等があるか、騒がしくはないかなど周辺環境もしっかり確認が必要です。

・契約面積契約面積のうち、実際にオフィスとして使用できる面積の坪数を確認しておきましょう。契約書によって専用面積のみが記載されている場合と専用面積+共用面積の一部が含まれている場合もあります。一般的には、従業員数1人に対し、約1.5坪あれば余裕をもって仕事ができるでしょう。その他にも、必要であれば会議室や応接室のスペースが取れるか等の確認が必要です。

・コスト
賃貸事務所を借りる前にコストの上限を決めておくようにしましょう。毎月発生する費用には、家賃の他に共益費が必要です。その他、契約内容によって水道光熱費や清掃費等が発生する場合もあります。また、ランニングコストといって、契約時には敷金(保証金)、礼金、前家賃、前共益費、仲介手数料、火災保険料等が発生します。物件によって保証委託料が必要な場合もあるので、契約時に幾ら必要なのかを事前に確認しておくことが大切です。

・物件イメージ
毎日通う場所であるからこそ、賃貸事務所の外観やエントランスの内装、雰囲気等も大切です。来客の多い企業様は特に取引先が賃貸事務所に訪れた時に受ける印象についても想像しておくと良いでしょう。物件のイメージが企業のイメージに繋がることもあります。

・設備
実際に仕事をする場所であるオフィス内の設備についてもしっかり確認が必要です。天井高が低いと圧迫感を覚えます。天井高2.7~2.8mあると開放感が感じられるでしょう。また、OAフロアが採用されているかも大切なポイントです。OAフロアであれば床上の空間にネットワーク配線を収納できるため、イスなどを動かした時に断線したり、配線が絡まったりすることを避けられます。さらに、パソコンや複合機等を頻繁に使用する場合には、ネットインフラや電気容量が十分かを確認しておくことも大切です。他にも、電話回線の本数や耐荷重が足りているか、空調システムが個別であるか等についても事前に確認しておくことで、入居後スムーズに仕事をスタートすることができます。また、トイレの設置場所や男女別かどうか、給湯室の場所や広さ、喫煙スペース・リフレッシュスペースの有無も確認しておきましょう。その他、共用部の設備として、エレベーター、駐車場の有無、セキュリティ、耐震設備についてもチェックしておくことをおすすめします。

・他の入居テナント
検討している賃貸事務所に、他にどのようなテナントが入居しているかも確認しておくようにしましょう。1階に飲食店が入居している場合にはランチ等に利用できる反面、匂いが気になる可能性もあります。入居しているテナントによって、物件のイメージが変わり、評価も変わってきますので、必ずチェックしておきましょう。

以上のような条件の中から、自分の会社が何を優先事項とするのかをしっかり決めておくと、入居後に満足いく賃貸事務所を選べる確率が高くなります。また、インターネットで情報を集めるだけでなく実際に物件に足を運んでみることも大切です。気になる物件があったら不動産会社に問い合わせをして内見を申し込んでみましょう。内見時のポイントは、上記に挙げた条件の優先項目をしっかり満たした物件であるかをよく確認することです。長く入居する予定であるなら、物件のオーナーの人柄も大事になってきますので、不動産会社の営業マンに聞いてみると良いでしょう。入居後に後悔しないよう賃貸事務所の選び方をしてくださいね。