賃貸事務所を契約する際には、様々な費用がかかります。また、実際に入居してから毎月発生する費用もあります。今回はこの2種類の費用に関して詳しくみていきましょう。
まずは、賃貸事務所の契約時にかかる費用からご案内していきます。
・敷金(保証金)
賃貸事務所を契約する際には物件のオーナーに敷金(保証金)を支払います。これは入居後に、借主の家賃の滞納、過失によって物件を損傷した場合等の担保の意味合いがあります。賃貸事務所を借りる際には、家賃の6~12ヶ月分の敷金(保証金)が必要になることが一般的です。この敷金(保証金)は退去時に一部または全額返還されます。
・礼金
賃貸事務所の契約時に物件のオーナーに支払う費用です。大規模な賃貸事務所では支払うことはあまり多くありませんが、小・中規模の賃貸事務所では家賃の1~2ヶ月分を礼金として支払う場合があります。敷金(保証金)とは違い、退去時に返還されることはありません。
・前家賃
入居した当月の家賃を契約時に物件のオーナーに支払います。入居日が契約日より後の場合でも契約時に支払いが必要となります。また、当月内の入居期間が少ない場合には翌月分の家賃もまとめて前家賃として支払うこともあります。
・前共益費
共益費とは賃貸人が使用する物件の設備の運営を維持するために支払う費用のことです。入居した当月の共益費も契約時に必要であり、これを前共益費と呼びます。入居日によっては前家賃と同様、翌月分の共益費も契約の際に支払いが必要となる場合があります。
・仲介手数料
賃貸借契約が締結された際に仲介をした不動産会社に対して支払う費用です。家賃の1ヶ月分を仲介手数料として支払うことが一般的です。
・保証委託料
物件を賃貸する際には保証人が必要ですが、適当な人が見つからない場合や不動産会社に勧められた場合には賃貸保証会社を活用する場合もあります。この場合には賃貸保証会社への保証委託料の支払いが必要です。
・火災保険料
入居した物件で火災が発生した時のために損害賠償火災保険に加入します。加入する保険の種類によって火災保険料の額は異なります。
賃貸事務所を新規で借りる場合には、契約時だけでなく入居後にももちろん費用が発生します。それでは次に入居後に毎月支払う費用についてみていきたいと思います。
・賃料
毎月支払う家賃のことです。移転前に入居していた賃貸事務所と移転後の賃貸事務所に賃料を支払う時期がなるべく重ならないようにすることが大切です。
・共益費
前述の前共益費の箇所でもご説明した通り、賃貸人が利用する物件の設備の運営や維持に関わる費用です。物件の共用部の水道光熱費や小修繕費、清掃・衛生費、冷暖房空調費、保安管理費などに充てられます。
・水道光熱費
一般の住宅と同じように貸室内で使用した水道、電気、ガスの費用も毎月支払いが必要です。テナント毎に電気、水道、ガスの供給会社と契約を結ぶ場合と賃貸事務所のオーナーが一括で供給会社と契約する場合があります。後者の場合は水道光熱費を毎月オーナーに支払うことになります。
・室内清掃費
大規模な賃貸事務所の場合には室内清掃が必須の場合があります。その際の清掃費は借主負担となります。トイレが貸室外の共用部にある場合には、清掃やトイレットペーパーの交換等は貸主側で行うのが一般的ですが、室内に設置されている場合には借主の負担で清掃やトイレットペーパーの交換も行う必要があります。
以上のように、オフィス移転や起業などで新たに賃貸事務所を賃貸する場合には、契約の際にかかる費用と入居後に毎月発生する費用があります。どのような種類の費用が発生するのかをよく把握しておき、できるだけコストを抑えられる物件を探したいですね。