オフィス移転を考えた際に、できるだけコストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探したいと思う方も多いのではないでしょうか。どのような賃貸事務所をコストパフォーマンスが良いと感じるかは、各企業が新しいオフィスに求める条件によっても異なります。例えば、単純に賃貸料が安い物件はもちろん、交通アクセスの良さや周辺環境の便利さ、さらに企業によってはビルの立地するエリアのブランド価値を求める場合もあるでしょう。今回は、賃貸事務所のコストパフォーマンスについて考えていきたいと思います。
各企業が賃貸事務所に求める条件は様々です。ニーズに適っていて、さらに賃貸料にも満足できれば、その賃貸事務所はコストパフォーマンスの良いビルとなります。例えば、賃貸事務所を探す上で、周辺環境の便利さ、交通アクセスの良さ等の立地条件を重視する企業は多いです。しかしながら、交通の便が良く、周辺に飲食店やコンビニ、郵便局、金融機関等の揃ったエリアは、ターミナル駅周辺が多く、総じて賃貸料が高い傾向にあります。立地環境は申し分ないものの、賃貸料の面で物件探しが困難な場合には、ターミナル駅の隣駅に目を向けてみると良いでしょう。例えば、東京メトロ日比谷線で恵比寿駅の隣の中目黒駅や京王新線で新宿駅の隣の初台駅等は、隣のターミナル駅に比べてグッと賃貸料が下がる傾向にあります。ビルの立地場所によっては、ターミナル駅から徒歩で通勤することも可能ですし、エリアのブランドイメージは下がらないまま賃貸料が安くなるので狙い目の場所と言えます。
また、千代田区、中央区、港区の都心3区は賃貸事務所の数、ニーズ共に多いエリアです。賃貸料も高い傾向にありますが、場所によっては少し安めの賃貸料で、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探すこともできます。例えば、中央区では日本を代表するターミナル駅である東京駅周辺の賃貸事務所は軒並み賃貸料が高くなります。京橋や日本橋エリアも八重洲周辺同様、再開発事業が進んでおり、やはり賃貸料は高めの傾向にあります。一方、同じ中央区でも、馬喰町周辺や築地・八丁堀・茅場町周辺、小伝馬町・人形町周辺は、賃貸料の相場が低いため、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を探しやすいエリアです。また、都心3区ではありませんが、新宿区であれば四谷・信濃町エリアは、新宿駅周辺に比べ、だいぶ賃貸料の安い賃貸事務所を見つけられる可能性が高くなります。さらに、新宿駅、渋谷駅周辺では賃貸料が高くて物件を探せないという場合には、品川駅周辺や大崎駅周辺で賃貸事務所を探してみるのもおすすめです。品川区は、都心へのアクセスも良好なエリアなので、移転先の候補地として検討してみると良いでしょう。ただし、五反田駅周辺は歓楽街が形成されており、風俗店等も多いので注意した方が良いかもしれません。
また、千代田区の大手町・丸の内エリアや中央区の銀座エリアは、賃貸料は高額ですが、場所のイメージが良いため、ブランディング的な面からみるとコストパフォーマンスが良いとも言えます。大手町・丸の内は一流企業の本社をはじめ、経団連や東京商工会議所が入居するオフィスビルも所在する日本でも有数のオフィス街です。このエリアに拠点を構えることは企業のイメージアップにも繋がります。他に、銀座エリアも企業のブランドイメージの良い場所です。一流ブランドのショップが建ち並び華やかさの感じられるエリアでもあるため、特に、ブライダルや美容関連の企業や店舗が拠点を構える場所として最適だと言えるでしょう。
このように、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所は、それぞれの企業がオフィスに何を求めているかによっても変わってきます。そのため、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を見つけるには、まず移転先のオフィスの条件として何を優先させるかをはっきりさせておくことが大切です。各エリアの特徴や賃貸料が分からない場合には、不動産会社に問い合わせてみることをおすすめします。求める条件を明確にした上で、その条件に合う賃貸事務所を信頼できる不動産会社に探してもらうことが、コストパフォーマンスの良い賃貸事務所を見つけられる一番の近道だと言えるでしょう。