NTTドコモ代々木ビル

NTTドコモ代々木ビル 外観

NTTドコモ代々木ビルは、2000年に竣工した渋谷区千駄ヶ谷に位置する超高層オフィスビルで、通称ドコモタワーとして知られています。地上27階(そのうち尖塔2階)、地下3階建ての建物で、スケール上、地上50階程の高さがありますが、ビルの構造を有するのは下半分の地上25階までとなっています。239.85mの高さを誇り、東京都内では、現在ミッドタウンタワー、虎ノ門ヒルズ、東京都庁第一本庁舎に次ぐ4番目、日本国内では10番目に高いビルとして知られています。
ニューヨークのエンパイアステートビルをはじめとした摩天楼をイメージさせる外観が特徴的で、北側地上150mの位置には、2002年、NTTドコモの設立10周年を記念して直径約15mの大時計が設置されました。この大時計の分針は実に9mの長さがあり、重さも時針、分針共に1tあると言われています。時計の数字や針の部分にはLEDが使用されており、環境に配慮した製作がなされています。夜間も美しく輝きながら、新宿エリアのランドマークとして時を告げています。大時計のデザインはロンドンのビッグベンをモチーフに作られました。
NTTドコモ代々木ビルは、JR代々木駅の東側すぐの場所に位置しており、新宿駅からも歩いてアクセスが可能です。その名の通りNTTドコモの自社ビルであり、関係者以外の一般の立ち入りは禁止されています。ただし、本社機能はNTTドコモ代々木ビルにはなく、千代田区にある山王パークタワーにNTTドコモの本社が入居しています。
NTTドコモ代々木ビルの15階から25階までは通信設備等が搭載された機械室であり、14階までがオフィスフロアとなっています。その他に代理店向けのコールセンターもあります。別館のアネックス棟には、松電通信運営の代理店、ドコモショップ代々木店のほか、複数の飲食店が入居するレストラン街もあります。25階より上の高層部は、マイクロ波アンテナを設置する尖塔部です。内部は空洞で、アンテナを設置するため、階段状となっています。ビルの頂上には、32mに及ぶデリックが設置されており、アンテナの方向を修正したり、下層部から機材を吊り上げる際に使用されています。デリック部分を含めた建物の高さは272mで、東京スカイツリーと東京タワーに次いで、都内で3番目に高い建築物となります。
NTTドコモ代々木ビルの規模は、敷地面積6,273㎡、延床面積51,121㎡に及びます。建物は、長寿命化の実現のため、ビルの様々な用途にフレキシブルに対応可能な構造やモジュール化されたシステム天井を採用しています。また、耐久性の高い外装材をビルの外壁に使用すると共に、アスベスト等の有害物質を排除して建設されました。さらに、省エネへの取り組みとして、熱線吸収ガラスを採用することで空調の負荷の軽減を実現。トイレやエレベーターホール等の共用部では照明に頼らず、自然採光によって明るさを確保しています。その他にも、オフィスの照明にHfインバータ付きの高効率照明を採用しているほか、ビルディングオートメーションシステムとセキュリティシステムの連動により、照明や空調の消し忘れの防止等、照明・空調システムを総合的に管理して省エネを図っています。ビルの南面の外壁部には太陽光発電パネルを設置。再生可能エネルギーである太陽光エネルギーの活用により、蓄電池と一体化させた電源システムを構築し、防災表示装置の電源や災害時における地域への電力供給に貢献する電源システムを実現しています。他にも、雨水貯留システムによって、豪雨の際の瞬時放出量を緩和し、地域の負荷の軽減、さらに下水道のインフラ負担の軽減に役立てています。またトイレ等の排水を地下水槽に集めて、ろ過し、トイレの洗浄水として再利用しているほか、廃棄物の削減やリサイクルの推進により、エコ活動にも積極的に取り組んでいます。
NTTドコモの自社ビルであるため、一般の入場はできないものの、その印象的な外観は、新宿・代々木エリアのランドマークとして、これからも人々に愛されていくでしょう。