オフィスビルの外壁の種類

新しい賃貸オフィスを借りる際、立地条件や貸室のスペックなどを重視するのはもちろん、ビルの外観をポイントにする企業様も多いのではないでしょうか。ビルの外観は、入居企業のイメージにも大きく関わってくるため、取引先等の来客が多い企業様はなおさらこだわりたい部分でしょう。外観の印象に最も大きな影響を与えるのはビルの外壁です。今回はオフィスビルの外壁にはどんな種類があるのかをみていきたいと思います。

外壁 イメージ画像

・建築用外装パネル
建築用外装パネルはオフィスビルの外壁によく使用される外装材です。耐久性に優れ、金属材よりも軽量のため、施工効率が良い特徴があります。見ためは、スタイリッシュで清潔感のある印象を与えます。カラーはグレーや、シルバー、ホワイト、ブラックなどがあります。ビルの外壁はもちろん、エントランスやエントランスホールの天井などにも使用されます。

・ガラス張り
スタイリッシュで近代的な印象を与える外壁で、高層オフィスビルなどによく使用されています。コンクリートの壁よりもビルそのものを軽量化でき、ビルを支えるためのコストを抑えられるメリットがあります。一般的なガラスのほか、ミラーガラスやスモークガラスが使用されている賃貸オフィスもあります。また、近年建築されている外壁がガラス張りの高層賃貸オフィスの大半には、カーテンウォール工法が採用されています。カーテンウォールとは建築構造上、取り外しが可能な非耐力の壁のことです。カーテンのように重さが軽いことからカーテンウォールと名付けられました。屋根、柱、梁、床等が建築物そのものの重さや荷重を支えており、重さを壁で負担していないのが特徴です。

・タイル張り
タイル張りの外壁の賃貸オフィスもよく見かけます。タイルには磁器質、石器質、陶器質の3種類がありますが、オフィスビルの外壁によく使用されるのは磁器質のタイルです。タイル張りの外壁は高級な印象を与えるだけでなく、耐久性に優れ、経年劣化しにくいメリットもあります。そのため、築年数が経過した際の外壁塗装の出費を抑えることができます。カラーはホワイト、グレー、ブラックなどが一般的ですが、レンガをイメージしたオレンジ色をはじめ、小豆色、ブルーなどもよく見られます。

・吹き付けタイル
上記のタイル張りの外壁は、コンクリートの体躯の上にモルタルを施し、その上からタイルを貼り付けていますが、一方の吹き付けタイルは、モルタルの外壁に機械を使用して塗料を吹き付け、凹凸のある外壁に仕上げていきます。吹き付ける塗料の種類には、ウレタン塗料、アクリル塗料、シリコン塗料、フッ素塗料があります。アクリル塗料は低価格ですが耐久性が低く、フッ素塗料は耐久性が最も高いですが、値段も比例して高いため、あまり普及されていません。耐久性はフッ素塗料>シリコン塗料>ウレタン塗料>アクリル塗料の順になります。

・石張り
外壁が石張りの賃貸オフィスは高級感かつ重厚感のあるイメージを与えます。オフィスビルの外壁に使用される石材には花崗岩(通称:御影石)が多く、他に石灰岩、砂岩、大理石などがあります。石材は様々な鉱物によって組成されて出来ているため、全く同じ色合いのものが他にないという特徴があります。

・金属材
金属材を外壁に使用している賃貸オフィスも多くあります。ただし、ガラスや石材、タイルに比べて劣化、損傷しやすいため、表面加工を施してあることがほとんどです。代表的な金属材としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、鉄などが挙げられます。

・コンクリートの打ちっぱなし
外壁がコンクリートの打ちっぱなしの賃貸オフィス物件もあります。シンプルですっきりした印象を与える外壁で、デザイナーズオフィスなどに使用される場合が多くなっています。もともとコンクリートの打ちっぱなしは、表面が粗面のため、埃が付着しやすい特徴を持っています。さらに、埃が付着した上に雨が降ると、汚れが増幅するデメリットがありました。そのため、コンクリートの表面をコーティングするのが一般的でしたが、近年では、様々な改良がされ、汚れに強い打ちっぱなしコンクリートも採用されるようになっています。

以上が代表的な賃貸オフィスビルの外壁の種類です。ビルによっては一種類のみの外壁材を使用するのではなく、石材とタイル、金属材とパネル、タイルと吹き付けタイルなど複数を組み合わせている場合もあります。
外壁の種類によって、そのオフィスビルの印象はガラリと変わります。来客等が多く、オフィス移転を検討される際にビルの外観もポイントにしたい企業様は、見ための好みはもちろん、外壁の耐久性なども考慮に入れると良いでしょう。