ノマドワーカーという新しいかたち

近年、「ノマドワーカー」という働き方が話題になっています。ノマドワーカーの「ノマド」は、英語で「遊牧民」の意味。ノマドワーカーとは、働く場所を固定せずに、自由な時間に自由な場所で働く人達のことを指し、そのような働き方を「ノマドワーク」と言います。今回は、この「ノマドワーカー」という新しいかたちの働き方について詳しくみていきましょう。
ノマドワーカーは、オフィスに出勤することなく、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどを活用し、カフェや公共の図書館、電車の中、屋外等の好きな場所で仕事をすることができます。ただし、最近ではWi-Fiに繋がる場所も増えていますが、Wi-Fi環境のない場所で仕事をする際にはモバイルルーターを持参する必要があります。満員の通勤電車に乗る必要もなく、好きな時間に好きな場所で仕事をできるノマドワーカーは、育児中の女性などからも人気の高い働き方として、近年話題を集めています。

ノマドワーカー イメージ画像

ノマドワーカー イメージ画像

このように、自由な働き方が魅力のノマドワーカーですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずはメリットから順番にみていきましょう。

・自由な場所で自由に仕事ができる
その日の気分で、自宅、カフェ、公共の図書館、公園等の屋外等、自由な場所で仕事をすることができます。またWi-Fi環境さえあれば、電車などの移動中でも仕事が可能です。

・通勤時間をカットできる
オフィスに毎日通う場合は電車やバスに乗る通勤時間がかかりますが、ノマドワーカーは自宅や近所のカフェで仕事ができるため、通勤にかかる時間を仕事や自分の好きなことに使えるメリットがあります。

・職場の人間関係等のストレスから解放される
何人もの人が働いている職場には、面倒な人間関係が存在する場合もあります。ノマドワーカーは基本的に一人で仕事をするため、そのような煩わしい人間関係から解放されます。

・事務所の賃貸料がかからない
自宅やカフェなど自由な場所で仕事ができるため、賃貸事務所を借りる必要がなく賃貸料を節約できます。

いいことずくめのようなノマドワーカーですが、デメリットも存在します。詳しくみていきましょう。

・仕事とプライベートの切り替えが難しい
自由な場所で働くことができるノマドワーカーですが、その分仕事とプライベートの切り替えが難しい部分もあります。「ここまでは仕事」「ここからは自分の時間」としっかり決めるなど自己管理能力が必要となります。

・コミュニケーション不足
会社に出勤すれば、上司や同僚と話す機会がありますが、ノマドワーカーは一人で仕事をするため、人とのコミュニケーションが不足しがちになります。人によっては孤独感を感じるかもしれません。

・セキュリティや使用機器の問題
会社ではパソコン等にセキュリティシステムを導入している場合が多いですが、ノマドワーカーはこれらの対策を自分で行う必要があります。カフェ等の公共の場所などでは、注意していないとパソコンの画面を覗かれたり、情報が漏洩する可能性もないとは言い切れません。また、パソコン等の機器が故障した場合も自分で対応する必要があります。

・収入に波がある
ノマドワーカーは個人事業主等、フリーランスとして仕事をしている場合も多いです。フリーランスは固定収入ではないことが多いため、収入面で波がある場合もあります。国民年金や国民健康保険に自分で加入する必要もあります。

以上がノマドワーカーのメリット・デメリットです。ただし、誤解されやすいのがフリーランス=ノマドワーカーではないということです。実際、カフェ等で仕事をしている人にはフリーランスも多いですが、テレワークのように企業に所属している人もいます。また、営業マンが外回りの後などに、カフェ等に立ち寄って、仕事をすることもあります。営業業務や契約の後、わざわざ職場に戻ることなく、その日の報告や書類作成ができるため、時間や交通費を節約できるメリットがあるのです。
最近では、ノマドワーカーが仕事をしやすい環境を整えたノマドカフェが都心を中心に増加しています。Wi-Fi環境や電源はもちろん、タブレット端末やミーティングスペースが設置されているノマドカフェもあります。さらに、ノマドオフィスといって、カフェスペースとインターネット環境の整ったサービスオフィスの新形態も登場しています。ノマドオフィスは、不特定多数の客が利用するカフェと違って落ち着いて仕事ができるため、フリーランスはもちろん、外回りの多い営業マンにも重宝されています。
ご案内してきたように、ノマドワーカーには、メリットもデメリットもあります。しかし、働き方が見直されている今、ノマドワーカーというという新しいかたちの自由な働き方がこれからさらに増えてくるのかもしれません。